棚卸表(在庫チェックシート)の作り方:必要な項目とテンプレート、数え方の手順

棚卸表・在庫チェックシートに入れるべき項目をテンプレート形式で整理し、紙・Excel・アプリそれぞれで正確に棚卸を進める手順と、差異が出たときの考え方を解説します。

棚卸表(在庫チェックシート)は、棚卸のときに手に持って回る一覧表です。見つかるはずの品目、置き場所、帳簿上の数量、そして実際に数えた数を書き込む空欄が並びます。使いやすい棚卸表を作るコツは、結論から言うと三つです。実際に記入する項目だけに絞ること、歩く順番に並べること、そして「数えた数」以外はあらかじめ埋めておくことです。

どれも当たり前に聞こえますが、うまくいかない棚卸表の多くは、項目が足りないのではなく多すぎるか、品名の五十音順で並んでいるか、どの箱を数えればよいのかが書かれていないかのどれかです。この記事では、棚卸表に載せる項目、数え方の手順、そして数えた後の数字の扱い方をまとめます。

棚卸表は何のためにあるのか

棚卸表の役割は、帳簿上の在庫数と、棚に実際にある数を突き合わせることです。ほかの項目はすべて、この比較を助けるためにあります。

あわせて、いくつかの疑問にも答えてくれます。この棚は誰が数えたのか、いつ数えたのか、発注すべき水準を下回っているものはないか、同じ品目が二か所から出てこなかったか。よくできた棚卸表なら、こうした答えが棚卸の流れの中で自然に揃います。

なお、棚卸表と日々の在庫表は分けて考えるのがおすすめです。在庫表は棚卸と棚卸のあいだに更新し続ける記録で、棚卸表はその時点の写しを印刷または開いて記入し、記録を正すために使うものです。歩きながら元の在庫表の数量を上書きしていくと、何がなぜ変わったのかが後から追えなくなります。

棚卸表テンプレート:残すべき項目

使いやすい棚卸表は項目が少なく、それぞれの役割がはっきりしています。次の表は、ExcelやGoogleスプレッドシートにそのまま写したり、紙に線を引いて作ったりできるテンプレートです。

項目 記入する内容 役立つ理由
ロケーション 拠点・建物(複数ある場合) 担当者と場所ごとに作業を分けられる
ストレージ(保管場所) 棚・箱・部屋・車両など どこを見ればよいかがすぐ分かる
品名 社内で通じる呼び名 何を数えるかを特定する
品番・バーコード コードがあれば 似た名前の品目を区別できる
単位 個・箱・パック・巻 「1箱」を「1個」と数える誤りを防ぐ
帳簿数量 記録上の数 照合の基準になる
実地数量 空欄にしておき、現場で記入 実際に見つかった数
差異 実地数量 − 帳簿数量 確認が必要な行がひと目で分かる
発注点 補充を始める数量 棚卸のついでに発注すべきものが分かる
担当者・日付 イニシャルと日付 後で誰に確認すればよいか分かる
備考 破損、期限切れ、別の場所で発見など 差異の理由を残せる

すべての項目が必要なわけではありません。小さなオフィスで備品を数えるだけなら、品番やロケーションは省いてかまいません。拠点が複数あるチームなら、どちらも入れたほうが便利です。判断基準はシンプルで、「誰かが記入するか」「後で誰かが使うか」です。どちらでもなければ外しましょう。

並び順は「歩く順番」に

棚卸表で最も効果のある工夫は、品名順ではなくロケーションとストレージの順に並べることです。数える人は部屋の棚を端から順に見ていきます。五十音順の一覧だと行ったり来たりすることになり、数え漏れや二重カウントはそこで起こります。

ストレージごとに行をまとめ、実際に通る順番に並べてください。二か所に置いてある品目は、それぞれのストレージの下に一行ずつ、帳簿数量と実地数量を分けて載せます。「在庫はあるのに、置き場所が違う」というよくある問題に気づけるのは、この並べ方だけです。

帳簿数量は見せるべきか

考え方は二つあり、どちらにも理があります。帳簿数量を載せておけば作業は速くなります。「手袋 12箱」と見て、確認して、次へ進めます。一方で隠しておくと、先入観なく数えられるので、より正確な数字が集まります。

現実的な折衷案としては、高価なものや差異が出やすいものは帳簿数量を伏せ、梱包テープやボールペンのような安価で動きの少ないものは表示する方法があります。表示する場合でも、チェックマークではなく必ず数字を書いてもらいましょう。チェックは「見た」ことしか伝えませんが、数字は「何があったか」を伝えます。

棚卸表を使った棚卸の進め方

棚卸は当日の朝ではなく、前日の準備で決まります。次の手順は、清掃用品の棚ひとつでも、倉庫全体でも同じように使えます。

  1. 在庫が動かない時間を選ぶ。 入出庫の少ない時間帯にするか、棚卸中は持ち出しと入荷を止めると決めておきます。
  2. 最新の棚卸表を用意する。 現在の記録から出力し、帳簿数量が最新の状態になるようにします。
  3. ストレージ単位で分担する。 品目ではなく、棚や部屋ごとに担当を割り振ります。同じ棚を二人が同時に数えないようにします。
  4. 表にあるものではなく、棚にあるものを数える。 表にない品目が見つかったら行を追加します。載っていない在庫は、立派な発見です。
  5. チェックではなく数字を書く。 表に書かれた単位で実地数量を記入します。
  6. 大きな差異はその場で数え直す。 差異が大きい行や意外な行は、解散する前に別の人が確認します。
  7. 理由をメモする。 破損、記録せずに使用、別の棚へ移動など、その場の一言が後の調査を大きく減らします。
  8. その日のうちに記録を更新する。 引き出しに一週間しまわれた棚卸表は、もう古くなっています。

差異が出たときの考え方

数えることは仕事の半分で、残りの半分は差異が何を意味するのかを判断することです。単純なものもあります。使ったのに誰も記録しなかった、というケースです。置き場所の問題もあります。品物は無事で、棚が違っていただけ、というケースです。そして一部は、誰でも記録せずに持ち出せる備品棚のように、仕組みの見直しが必要なことを示しています。

まずは記録を実際の数に合わせ、そのうえで傾向を見ましょう。毎回同じ品目がずれるなら、数える頻度を上げる、置き場所をはっきり決める、持ち出すときに記録しやすくする、といった手が打てます。高価なものや動きの速いものは頻繁に、安価で動きの遅いものは間隔をあけて数えるのが一般的です。

紙やExcelの棚卸表で十分なケース

紙の棚卸表やExcelで十分に回っているチームはたくさんあり、無理に置き換える必要はありません。一人で小さな備品棚を管理し、棚卸は年に数回、その間に数字を見る人もいないなら、印刷した表とスプレッドシートで事足ります。

困りごとが出てくるのは、複数人で同時に数えるとき、記入した紙を後からExcelに打ち直すとき、そして元のファイルがコピーされすぎて、どれが最新か分からなくなったときです。打ち直しでは数字の入れ違いが起こり、ファイルの複製では集計が抜け落ちます。こうなると問題は棚卸表そのものではなく、棚卸表と記録のあいだのすき間にあります。

Tanaでできること

Tanaはチームで共有する在庫管理アプリです。在庫はストレージ(棚・箱・部屋・車両など)ごとに記録され、ストレージはロケーションでまとめられます。つまり、使いやすい棚卸表の構成が、そのままデータの構成になっています。

紙の棚卸表が欲しいときは、CSVエクスポートがそのまま下書きになります。アイテムごとにストレージ、ロケーション、数量、アラート閾値が並び、どの表計算ソフトでも開けます。ロケーションとストレージで並べ替え、「実地数量」の列を足して印刷すれば完成です。端末で数える場合は、iPhone、iPad、またはWebアプリでストレージを開き、= ボタンで数えた正確な数量を入力します。誰が、いつ、どのストレージの数量を変えたかが記録されるので、「担当者・日付」の欄は自動で埋まります。棚に貼ったQRラベルを読み取れば該当のストレージがすぐに開き、アイテムごとの閾値にもとづく在庫少なめアラートが、棚卸と棚卸のあいだも発注点の役割を果たします。

よくある質問

棚卸表には最低限どんな項目が必要ですか?

ストレージ(保管場所)、品名、単位、帳簿数量、実地数量の五つです。ロケーション、品番、発注点、担当者、備考は、実際に使う場合に追加してください。

在庫チェックシートは品名順と場所順、どちらで並べるべきですか?

場所順(ロケーション、ストレージの順)がおすすめです。数える人は棚ごとに移動するので、歩く順番に並んでいれば数え漏れや二重カウントが減ります。

棚卸はどのくらいの頻度で行えばよいですか?

在庫の動きの速さと金額によって変わります。全体の棚卸はときどき行い、その間に高価なものや動きの速いものだけを頻繁に数えるチームが多くあります。

棚卸表に帳簿数量は載せたほうがよいですか?

載せると作業が速く、伏せると先入観のない正確な数字が集まります。差異が出やすいものや高価なものは伏せ、それ以外は表示する方法がよく使われます。

Excelで棚卸表のテンプレートを作っても大丈夫ですか?

問題ありません。上の項目を並べ、ストレージ順に並べたExcelの表は十分に機能します。注意点は元の在庫表への打ち直しなので、棚卸表からその日のうちに記録を更新しましょう。

関連するコラム